平和ボケ
風呂を上がると、TVが点きっぱなしになっていた。
「 クローズアップ現代 「“断捨離” 人生の大そうじをする人々」
だった。
物を捨てられない、片づけられない人々が思い切って物を捨てて
すっきりした生活をするのである。
この番組の中で「そうなりたい自分と、そうなれない自分との葛藤」
という言葉が出てきた。
このようなことは、このことに限らない。人生すべてにおいてあてはまる。
問題は、そのような、人生において普遍的にあてはまることにあるのではない。
違うところにあると思った。
ふと手元を見ると、UNHCR(国連 高等弁務官事務所)からの便りに気が付いた。
中身はいつも通り難民に対する援助なのだが、その封筒を指示に従って
開くとA4よりちょっと大きめの紙袋になった。
そのメッセージには
「この封筒を開くと紙袋になります。多くの難民にとって、全財産が
入ってしまうかもしれない大きさなのです」
と書いてあった。
私たちは、長年の平和の裡にあって平和ボケしているのですね。
平和の裡にあって、無駄なものを買い、無駄なものをため込む
それを商売の種として「断捨離」などと造語を作ってセミナーを開く。
平和ボケの最たるものだ。