荒木先生遺作展

suijuan2005-12-03

故荒木先生の遺作展に行ってきました。
たまたま、友達の武道具店でお会いしたのがご縁でお付き合いが始まりました。
私は、今はやりませんが中学・高校と6年間剣道をしており、荒木先生は現役の剣道家として活躍しておられたこと、生まれ年も同じと言うこともあり大変にウマが合いました。


その後当山の檀家となられ、突然の死の葬儀は私が導師を勤めました。
先生の人望は篤く、葬儀の際には会場に入りきれないくらいの弔問客が押し寄せました。
中学の現役の教師と言っても、それほどは来ないだろうとの予想は大きく外れ、葬儀屋さんが大慌てしてました。


私も、最初から一人お手伝いの僧侶を頼んでおいたのが幸いし、葬儀は滞りなく済みました。今までずいぶん大きな葬儀も経験しましたが、このときの葬儀ほど心に残るものは有りませんでした。
弔辞が5本ありましたが、たいていの弔辞は同じことの繰り返しで、ありがたさも薄いのです。しかし、最初に読んだ生徒会長の弔辞が通り一遍のものではなく、聞くものの心を揺さぶる素晴らしい弔辞でした。悲しさを内に秘めながらも内容も整然としており驚嘆しました。


他の方々も、ご自分の言葉で先生の素晴らしさを讃え、改めてその人格の高潔さを認識させられるものでした。


今回の遺作展で気がついたのは、ガラクタを書かれた作品が結構多かったと言うことです。
先生は、子供の補導などもしておられたのですが、その子供たちの中にも光るものがあることを見抜かれていたのでしょう。
光り輝く宝の山か?と思い近づいてみるとガラクタの山が光っているのです。
先生には、どの子もみんな素晴らしい宝に見えたのでしょう。


中には、フェルメールを思わせるようなタッチの絵もありましたが、全体的に優れた芸術性を感じるものばかりでした。先生の暖かくて大らかな性格そのものの作品です。
改めて故荒木先生のご冥福をお祈りいたします。