草木染

日清ファルマというところから送られてくる「パトス」と言う雑誌があります。
その最新号に草木染のことが載っていました。


草木染というのは、昭和5年に文筆業であった故・山崎斌(あきら)氏によって命名されたものであること。同氏は、草木染月明織として商標登録をしたが、普及のため他でその名前を使われても商標権侵害の訴えを起こさなかった。
などが書かれているのですが、その中でとても感心したことがありましたので以下に書きます。


現在は山崎斌(あきら)氏のご子息、山崎桃麿氏が染色から織までやっておられるのですが、草木染というくらいですから草根木皮が原料だと言うのは分かります。更に「媒染剤」も決して化学薬品は使われないとのこと。
それはなぜかと言えば、「自然の草木を使った草木染に、体に害のある化学薬品を使うことは、草木染めの命名者である父の、そして私の信念に反している・・・」からだそうです。


染織の根本は、家族のために手間隙かけてする手仕事であり、そこには家族を「思う」気持ちがあった。だから体に良いものを使うのだと言うことです。
古代の染色の材料として使われた草根木皮は、漢方生薬であった。それは肌に優しいものであったり、虫除けだったり、皮膚によく、体を守る効果のあるものだと言うことです。


その信念に、優しい心、思いやる心があると言うことは素晴らしいことです。とてもよい記事でした。

木綿染の基本―草木染技法全書〈3〉

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