ひそかに?私淑する

suijuan2006-01-07

私にとって「漢和辞典」は無くてはならないものです。手元のものは小学館発行、小林信明編の昭和55年発行のもの。その前に同じものを中学生のときに買いました。それも長い間使っていましたが、無くしてしまいました。実家を出るときに殆どの本を整理したのでその時に一緒に整理したのかもしれません。昭和55年と言うと私が29歳のときです。


買ってから26年。年数は経っていますが、丁寧に使用しているのでそれほど汚れもないし、傷みもありません。今日書きたいのは、この辞書のことではなく、その中でいろいろ面白い発見をするので、そのことを書こうと思います。


例えば禾編の2画に出てくる【私】第一人称の自分のほかに「よくない」「不公平」「ひそかに」「小便をする」などの意味があります。
禾が形を表し、ム(し)が音を表す。禾は稲、ムは私のこと。私は、とり入れたいねを自分のものにする。の意味だそうです。
この後に例示が並びます。


その中で【私淑】に目が止まりました。
私(ひそか)にその人を手本として、わが身を向上させる・・・とあります。
と言うことは、「ひそかに私淑する」と言う使い方は間違いであることがわかります。
又、昔は故人に対して使ったもので、現在生きている人を対象に使わなかった気がするのですが、どうなんでしょう。
ですから「私淑しておりました」と言う過去形でしか用いなかったと思うのですが、学者ではないので解りません。


なお、この「ム」は「シ」と読み、「私」の古字だそうです。
(小学館発行、小林信明編・新選 漢和辞典昭和59年発行新版19冊)

新漢和辞典 新装大型版

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