心豊かに、自然との共生

suijuan2007-08-25

東和銀行で配られている冊子「日日好日」の
特集◎ふるさとの「明治」を歩く(その2)に
よい文章があった。


(以下引用)
 百年以上前の英国で始まった「田園都市」づくり
のコンセプトのひとつは、「四角張らない美しさ、
景観の不規則性」でした。
道は曲げて作られ、アップダウンが施されました。
馬車が移動手段の時代でしたが、道作り計画は
点から点を結ぶ最短距離ではなくて、移動の楽し
みと景観、ランドスケープとタウンスケープが
大事にされました


 ふるさとの古地図を見ると、中心街を除き、ほとんどの道が曲がりくねっています。道は地形や立ち木立ち木などと折り合いながら、つくるというより、生まれ育ってきたのでしょう。暮らしも同じであったに違いありません
それらはもう、失われてしまったとはいえ、現在の地図の中に昔のままの形をした道を見つけると、うれしくなって、歩いてみたくなります。歩むほどに、カーブの向こうに次々に見えてくる景観に、ワクワクします。
(引用おわり)


散歩でも人生でも同じですよね。ただのカロリー消費のためではなく、木々の変化に目を見張り、花を愛で、空気の温度変化やわずかな香りに季節の移ろいを感じる。
ただ生きるだけの人生ではなく、芸術的感動、文学的感動を楽しむ豊かな人生。
私たちは機械ではないのですから。心の豊かさをもっと大切にしなければなりませんね。


いま「虫との共生」と言うことが言われています。
岡田真美子・兵庫県立大学環境人間学部教授が寺門興隆の7月号に「虫たちのいのちにもやさしい日常を」という文章を書いておられました。

この中で「今日の環境学では、ヒトに害をあたえるからという理由で、ある特定の種類の生き物を撲滅しようとするのは、大変に危険な考え方であるということがわか
っている」
と述べておられます。


このなかで「遠離ー蚊遣りと蚊帳の哲学」という章があり、昔は「蚊遣り」であって
蚊取り線香」ではなかった、書いてありました。
「邪魔者は消せ」ではなく、被害の届かない範囲まで追いやるという「共生」の考え方であったとのこと。
また、人類のように特定の種類が増大することは、自然の安定を欠いており不自然なことなのだそうです。
一例としてセイタカアワダチソウの話が紹介されています。
セイタカアワダチソウは、自分たちの繁殖を増大させるためポリアセチレンという物質を根からだし、他の植物が育たないようにしています。
しかし、長年その物質を出し続け濃度が高まると、今度は自滅してしまいます。


人間が環境破壊をして自滅する日も、そう遠くないのかもしれません。

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