恩知らず

お風呂の水が漏る。

栓を強く締めれば止まるのだが、あまり強く締めると妻から苦情が出る。
高校の一つ先輩の金物屋の社長に相談したら、水漏れの状態を聞いたうえで
「混合栓を全て分解して内部掃除をすれば直るかもしれない」とのこと。

分解して内部を掃除してみると、原因らしきゴムの劣化がある。
それを丁寧に取り外し、新しいOリングシールを取り付けてみる。
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なんかおかしい。
シールの大きさは良いのだが、肉厚が合わない。

再び先輩に相談。
「そのような肉厚のシールはオレの店にもない。その会社自体が倒産したので部品の供給も難しいかもしれない」とのこと。
とりあえず、間に合わせのシールでつけてみる。
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水が出ない。


あれこれ調べてみるが原因がわからない。
半日調べても解らない。
先輩の紹介で、もっと詳しい人に電話を掛ける。
その人が「ストレーナー」だという部品をはずしてみるが、それはストレーナーではなかった。


結局、間に合わせのシールが原因と解り、シールをはずして取り付ける。
しかし、水は出るが前よりチョロチョロ水漏れがする。


諦めて新しいものと交換する。

たまたま、ホームセンターで2万円の商品が半額になっていた。
先輩の金物屋では、27,000円が最低価格。プラス消費税。
散々世話になっておきながら、ホームセンターでやすいほうを買う。
こういうのを「恩知らず」という。

私は、そういう男である。